2017年05月21日

沖縄県ドクターヘリと日没との関係

はいさい!

フライトナースのOです。

今日はドクターヘリの運航時間とそれに関連するフライトスタッフの苦悩について書いてみたいと思います。



日本のドクターヘリは原則日中(日没まで)の運航に限ります。

海外での医療ヘリは夜間も運航しているところがありますが、夜間運航すると事故のリスクが上がります。

現に夜間運航により墜落したところもあったりします。

その他にもスタッフの確保が困難であったり、運航費の問題であったりとの理由で国内は現在のところ日中限定の運航となっています。



そのため、毎朝実施されるブリーフィングでは日没時間をスタッフ全員で確認します。

ちなみに本日の沖縄の日没時間は19時12分で、東京では18時44分と30分弱の違いがあります。



さて、沖縄県ドクターヘリの要請受付時間は8時15分から夏季は17時30分、冬は17時までと規定されています。

しかし、ドクターヘリがドクターヘリ基地に帰投するのは場合により日没ぎりぎりになることもあります。

当県では、日没時間までにドクターヘリが基地に帰投する必要があります。

では、日没時間を過ぎそうになると、医療スタッフは患者さんを置いてヘリコプターで帰るのでしょうか?



答えは否です。



日没時間に間に合うようにヘリコプターは基地へ帰投しますが、医療スタッフはそのまま患者さんのそばに残り、しかるべき処置を行って救急車で病院に搬送します。

ドクターヘリの利点は病院までの搬送時間の短縮のためにヘリコプターで搬送するだけではなく、医療スタッフを早期に患者さんのそばに送るといった面もあるからです。



では、ヘリコプターは基地に帰投した。
患者さんは無事に近隣の病院に救急車で搬送した。
じゃあ医療スタッフはどうすると思いますか?



はい。
お気づきの方もおられると思いますが、内地では公共交通機関(電車、新幹線、バス)を使い、沖縄県では主にタクシーで基地まで帰ります。

それが北部の奥の方としてもです。

本島内であればマシな方で、下手したら離島に置いて行かれることもあります。
この場合は当日に基地に帰れないので宿泊することになります。


過去、私が勤務していた甲信越のドクターヘリではドクターヘリだけ先に帰投し、医療スタッフが残ることをスタッフ内で『ドボン』と言っていました。

私自身も日没時間の理由ではなく、天候不良によりヘリコプターだけが先に基地に帰投し、医療スタッフは高速バスで2時間30分かけて基地に帰ったという経験があります。



そして、先日、沖縄での初ドボンになりそうな状況に陥りました。



それは、要請受付終了ぎりぎりでの要請でした。

日没時間は19時を過ぎていましたので私の中では日没は大丈夫だろうと思っていたのです。

消防による覚知要請のおかげで早期に患者さんに接触し、医師とともに処置を行い、病院に搬送し引継ぎ終了。

さあ、ヘリコプターが待つランデブーポイントに帰ろうと機長に電話連絡したところ、

「日没間際なので先に帰投します」



・・・えっ、マジですか!?



ちょっと待って~っと思いながらタクシーに乗り、ランデブーポイント近くまで送ってもらい、そこからは500mくらいダッシュです。資機材抱えながら。



ドボンになるとタクシーで2時間弱くらいかけて基地へ帰らなければならないですから。

ダッシュしたおかげで何とか間に合い、タクシーでの帰路は逃れました。

もっと日没時間を意識しようと感じさせてくれた一件でした(笑)



ちなみにダッシュしたおかげでこんなきれいな夕日のご褒美もありました。


沖縄県ドクターヘリと日没との関係



今後とも、沖縄県ドクターヘリをよろしくお願いします。


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Posted by ドクターヘリオキナワ1 at 10:11│Comments(0)ドクターヘリ
 
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