～南の島々から命の地域格差をなくしたい～　　　　　浦添総合病院　救命救急センター　

新年あけましておめでとうございます。フライトドクター　ヨシバードです。

旧年は大変お世話になりました。２０１１年（１月～１２月）、沖縄県ドクターヘリは本島・離島から延べ３８７件の実出動がありました。本年も安全運航はもちろん、迅速で的確な治療と搬送を行っていきますので、関係者の皆様と県民の皆様のサポートをよろしくお願いします。



ヘリは年末・正月に関係なく年中無休で運航していますが、僕個人は今日が今年の初勤務で、ヘリ当番からのスタートでした。「これは飛べってことか！！」と思ったら、早々９時過ぎに西の島から要請がありました。



大陸性高気圧の張り出しで、沖縄地方はその縁にあたり風の強い一日となりました。



午後には当県ヘリがカバーする最北端の島からロングフライトの要請があり、気流の乱れでヘリは右左上下にかなり揺さぶられました。脳出血の患者さんでしたが、揺れで吐気を催して血圧が上がって出血を助長しないように気を遣いましたが、何せ往路復路で３時間なのでこっちもヘッドセットの締め付けによる頭痛と揺れによる悪心との戦いでした。何事もなく救命センターの搬送でき、専門医による治療が開始されています。





さて、沖縄は冬でも暖かいと思いの方もいらっしゃるかと思いますが（確かに本土に比べたら暖かいではありますが...）、実は意外と寒いんです。骨の芯まで浸みるほどの寒さはありませんが、風が強いんです。今日は北風が１５ノット（約８ｍ/秒）吹いていました。体感温度は風速が1m/秒増すごとに、１℃下がるといわれています。今日、中部地方の気温が１４℃前後でしたので、単純計算すると14-8で6℃！！（６℃もあるんだっなんて言わないでください...）スタッフはこういう寒さに慣れていないので、結構待機部屋もヘリ機内も寒かったです。

ここまでは、風速のお話。高度ではどうかというと、1000ft（約300m）上がるごとに２℃も外気温が下がります。ドクターヘリは地形に応じて、1000-3000ft（ホントはもっと上がれるのですが、患者さんを乗せているので）で飛びます。実際、今日は鹿児島上空は1000ftでは9℃、2000ftでは7℃、3000ftでは4.5℃でした。

まぁ、実際にはヘリに暖房はついているのですが、患者引継ぎは野外で行いますのでその時は患者、スタッフ共に大変です。

以上、トリビアの知識でした。今年もよろしくお願いします。

下の写真は、冬休み中にヘリ基地に見学に来て下さったご家族です。アップが遅くなりまして申し訳ありません。また、遊びにきてくださいね！