西へ東へ
救命センターの亀山です。今日も浦添総合病院の救命センターは重症の患者さんが多くフル回転です。朝一番で西の島からドクターヘリ要請、
今日のフライトドクター那須医師から、救命センター外来担当の亀山にホットラインがかかります。
「腸管穿孔(腸に穴があくこと)の患者さん受け入れお願い。急変もあるのでドクターのヘリポートまでの迎えをお願いします」まだ病棟回診中だった新田先生と研修医の山下先生に出動を依頼します。
腸管穿孔は腸にあいた微小な穴から、おなかの中に腸内の細菌が漏れ出して、腹膜炎をおこし命にかかわる危険な疾患です。完治には手術が必要です。外科の先生方にも連絡を入れておきます。いつも突然の緊急手術を引き受けてくださる外科の先生方に感謝です。救命センターだけでなく病院のすべての科・部署で救急医療を支えています。
西の島からの患者さんが到着し、緊急手術に必要な検査を終えたころ、再び西の島から外傷でドクターヘリ要請。
と同時にこんどは東の島からまたもや「腸管穿孔」で自衛隊搬送の出動要請が入りました。
本日の自衛隊搬送スタンバイは亀山です。リーダーの橋本医師に出動する旨を伝え、外来を守ってくれるフライトドクター候補生の北古味医師・近石医師に後を任せて出発します。忙しい病院業務から2人も外に取られれば大変厳しいのですが、皆でカバーしあっています。仲間に感謝です。パートナーの看護師は平川救命センター看護師長です。頼もしい限りです。東の島は本島から400km離れた長距離搬送です。陸上自衛隊の飛行隊に連絡しモニターや酸素といった物品をあらかじめ載せてもらうよう段取りし、薬剤など不足分は当院から持参します。那覇基地から島まで本日はヘリではなく飛行機で50分、その間に看護師長と起こりうる急変とその対応をひととおり打ち合わせます。
東の島に着き患者さんを引き継ぎ、島の診療所医師は大学同級生N医師です。島に一人の医師として重責を担ってがんばっています。久々の再会もそこそこに5分で那覇にとってかえします。
機内では幸い患者さんの容態は落ち着いていて、想定した急変等もありませんでした。
那覇空港では飛行隊長以下の陸上自衛隊の皆さんが総出で出迎えてくださり、急患搬送にかける熱い思いを感じました。
那覇消防の救急車で浦添総合病院へ、自衛隊搬送の出迎えはいつも那覇消防が担当してくれています。本当に大勢の皆さんの協力で、患者さんが安全かつ迅速に救急医療が受けられています。感謝です。そしてまた外科の先生は緊急手術です。よろしくお願いします。
病院を出てから帰ってくるまで4時間半でした。少し疲れたなと思っていると、今度は浦添消防から、近隣クリニックからの転院搬送ホットライン、三度目の「腸管穿孔」。外科の先生に連絡をすると少し疲れた表情をされていました。本当にお疲れ様です。
知らぬうちに七夕が過ぎてしまいました。
願わくば沖縄の皆様が健康で、
救命センターが平和でありますように。